根津にギャラリーをオープンするまでの道のり

Azur rosé Galerie(アズールロゼギャラリー)は実店舗を持たず、企画をご理解いただける銀座のギャラリーや吉祥寺のカフェを中心に展開してきましたが、2023年1月~12月の一年間、自由が丘にある東京都と東京都中小企業振興公社が運営する若手・女性リーダー応援プログラムである「創の実」で、アートセレクトギャラリーを運営することができました。

改めて、Azur rosé Galerie(アズールロゼギャラリー)の名前の由来を書かせていただくと、Azurはフランス語でコバルトブルー(紺碧)を意味し、roséはロゼワインを表すとともに、薔薇色の意味合いも含んでいます。

コバルトブルー(紺碧)やラピスラズリ(瑠璃色)、岩群青など、自然界の生みだした「アオ」は、多くの作家たちが古来より用いてきた色であり、空や海や水に至るまで目に見えるけれど存在しない、見えているようで触れない色でもあります。

また、自分にとって昔から一番心惹かれる花は常に薔薇であり、数ある薔薇の中でも、青い薔薇は存在しない薔薇でしたが、2002年に誕生したことにより、花言葉は「不可能」から「夢かなう」に変化しました。

その花言葉どおり、作家さんの夢の実現をサポートしていけるギャラリーにしたいと考えるとともに、私がもし理想の薔薇を見つけたとしたら、名付けるであろう名称をギャラリー名にしました。

ギャラリー店舗デザイン

ギャラリーの店舗の施工は、今回、

上田剛央/FLANGE plywoodさんにお願いしました。

木の持つしなやかで表情豊かな合板を生み出し、洗練されたデザインの作品を展開する上田剛央さん
FLANGE plywood | フランジプライウッド (flange-web.com)

木々の自然な色彩が織り成す合板の断面は、独自の表情を見せ、背面まで美しく彩ってくれます。
軽視されてきた合板のデザイン性に『美』を融合させ、隠されてきた合板に新たな魅力を与えています。

以前、工房に伺う機会に恵まれ、木の天然の色合いを生かした合板と、日本の美意識を感じさせる背面まで美しい作品たちを拝見し、その時からファンになり、以前より常設展示で上田さんの作品を取り扱いさせていただいていました。

最初はギャラリー用の家具の依頼のお話から、店舗の施工までお願いすることに。

試行錯誤しながらでしたが、いろいろと相談にのっていただき、上田さんの合板の美しさを生かした空間になりました。私の要望を真摯に受け止めていただき、感謝してもしきれません。

引き続き、常設展示でも上田さんの作品を取り扱いさせていただきます。
フラワーベースや箸置き、カードスタンド等、日常使いできる作品がございますので、併せてお楽しみいただければと思います。

教育普及の役割や地域活性化

美術館とギャラリーが多くあり、新しさと昔ながらの懐かしさが感じられる「根津」で、「美術館とギャラリーの良さを活かした新しいスタイル」のギャラリーとなることを目指しています。

最初は、日常遣いできるジュエリーや陶器など身近なアートから興味を持っていただき、だんたんと日常の中にアートが溶け込んでいって、家にアートがあることが当たり前になっていけたら……たくさんの人がアートを見ることで癒され、仕事で疲れた時にお気に入りの作品を見て「明日も頑張ろう」と思ってもらえたり、日々の生活に彩りを添えられるギャラリーにしていきたいです。

第一歩として、1月18日にギャラリーの工事前に、広い壁面に地域の小学校の生徒さんたちに「癒し」をテーマに壁画を描いてもらうWSを実施しました。筆やスポンジ、たわし等、いろいろな道具を使って、楽しそうに制作している子供たちを見て、とてもうれしくなりました。一つの絵をみんなで制作する体験にもなりました。

こういった活動を通じて、根津に訪れてもらい、だんだんと地域活性化に少しでも繋がっていけばいいなと思っています。

〒152-0035 東京都台東区池之端3丁目3−5

東京メトロ千代田線「根津駅」から徒歩5分
各線「上野駅」から徒歩約12分

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